この記事は、刈谷の税理士・篠原敏樹が、社長様・個人事業主様・資産家様などに向けて、”経営などに役立つ本の紹介”として投稿しています。

『よくわかる税法入門[第7版]』三木義一 編著

『よくわかる税法入門』三木義一

とにかく分かりやすい税法の入門書

 税理士春香という架空の女税理士が、大学の税法ゼミに参加するという設定です。30ほどの興味深いテーマをとりあげ、会話形式で税法のエッセンスが理解できるようになっています。解説はすこし難しいので、スキップでもOKです。

 経営者様に関係の深い内容では、「なんで役員報酬や退職金の上限額をはっきり決められないのか」、「脱税と節税の線引き」などの総論から、税務調査をめぐる論点、所得税・法人税・消費税・相続税などの基本的な考え方などがザックリと理解できる内容になっています。これを読めば、顧問税理士の言うことが、かなり理解できるようになると思います。すこしでもご関心があれば、読んで損はない良書です。

納税者にとってありがた~いご主張

 さて、分かりやすい入門書といえども、本書も法律の解説書です。法律書は著者の主張によって、内容が微妙に変わってきます。そして、編著者の三木先生は、納税者に寄り添った主張をされる教授として有名なお方です。

「疑わしきは納税者の利益に」
 所得があるかどうかわからないときに,疑わしいからといって課税されてはたまりません。事実関係等が明確でないときは,納税者の利益を重視して,課税は控えるべきでしょう。(第7版9-10頁から引用)

 刑法でいう「疑わしきは被告人の利益に」が税法にも当てはまるのだという考え方です。もちろん裁判において、このような考え方が全面的に受け入れられているわけではありません。実務家としても現実的な運用は非常に悩ましいところです。

 しかしながら、税理士が、「疑わしいから所得に入れときましょう」や「疑わしいから経費から外しときましょう」をモットーとしているようならば考えものです。本書を読めば、いい税理士の見極め方も学べるのかもしれません。

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