篠原税務オフィス所長 篠原敏樹です。去る8月24日、経営の神様・稲盛和夫氏が永眠されました。稲盛氏といえば、京セラ創業者として、最近ではJALの再建で有名な大経営者ですが、会計を職とする者としては、氏の優れた会計観に多くの感銘を受けたものです。

名著「実学」では、まえがきから、「会計がわからんで経営ができるか」という名言に始まります。私が初めてこの言葉に触れたのは、もう10年以上前のことです。当時は、会計事務所での下積みと税理士試験の勉強で大変な時期でしたが、この言葉に夢と希望、勇気を頂きました。

今、少し読み返してみれば、「ペーパー上の利益より、まぎれもなく存在するキャッシュを重視する」、「数字はごまかせばいいなら、社員は誰もまじめに働かなくなる」、「値決めは経営」などなど、経営に役立つ会計の原理原則が、実践を伴っているという点においては、氏の右に出る経営者を私は知りません。

偉大な稲盛和夫氏に心より哀悼の意を表するとともに、その英知を微力ながら実践していこうという想いを新たにしました。